ちょこちょことせわしなく動き回る千尋の姿を、ソファーの上で膝を抱えながら見ていると、ホントよく動く人だなぁって思う。



几帳面なのか、ちょっとした汚れも見逃さない。



「ねぇ。 ねぇってばっ!」


「ん? なんか言うた?」


掃除機のけたたましい音のせいで、声が千尋まで届かない。


叫ぶように声をかけたら、やっと掃除機を停止させてあたしを見てくれた。



「何か手伝おうか?」


やっぱり休みなのに、千尋に八時に起こされてしまった。


だから暇なわけだ。

早起きしても、あたしはやることがないから、千尋の手伝いでもと思った。



「ええよ。
これは、俺の仕事や。
欄は休みなんやから、ゆっくりしときぃや」


やんわりと断られたきがした。


前に一度手伝ったことがあった。


千尋は掃除する時部屋の隅々まで、それこと埃や髪一つすら落ちているのを許さないんだけど。


あたしとしては、面倒くさいったらありゃしない。


わざわざ家具を動かしてまで、絨毯を退けてまで掃除したくない。