実は『できちゃった婚』だったお父さんとお母さん。


お母さんが短大在学中に、お姉ちゃんを身ごもったそうな。


お父さんもその時まだ、大学4年生。



幸いなことに、臨月の時に卒業式を迎え、何とか短大はちゃんと卒業できたんだって。


お父さんの就職も決まっていて、それでおじいちゃんとおばあちゃんはしぶしぶ認めたとか。


きっと、お母さんにも今の美羽ちゃんの気持ちがよくわかるはず。


美羽ちゃんの体のことを考えたら、とにかく早くしなくちゃならない。



私とお母さんとお姉ちゃん、ダイニングテーブルで作戦会議。


「お姉ちゃん、検査薬持ってきてくれた?」


「バッチリよ。まだ期限も残ってるし」


「菫、もしそうだった場合に備えて、美羽ちゃんには保険証を持ってきてもらいなさい」


お母さんが、お茶を淹れながら言う。


「もし、陽性だったら、土曜日の午前中にお母さんが病院に連れて行くわ」