はじめてひとつになった日から。


先輩と私は、毎晩体を重ねた。


そうすることで、私はずっと先輩を繋ぎとめることができると思ったから。


先輩が私に夢中になってくれるのが嬉しくて、安心できて、好きだった。


愛されるってこういうことなんだって、先輩の胸で甘えた。



でも……。


一つだけ、心配なことがあった。


もしも赤ちゃんができたら、どうしよう。


先輩が「避妊しているから大丈夫」って言っているから、きっと大丈夫だとは思うけれど、よく聞く「避妊に失敗する」っていうことだってあり得る。



……今月の生理、まだ、だったよね?


頭の中で計算してみる。


確か、この日だった、はず。


……1週間、遅れている。


でも、慣れない環境のせいもあるかもしれないし、今までだって1週間のずれはよくあることだったじゃない。


気のせいだって、自分に言い聞かせた。


そして、気づかなかったことにした。


そんな現実があり得るなんて、15歳の私には考えられなかったから。


連休になり、先輩も私もそれぞれの実家へ帰り、少しの間離れていた。


不安な気持ちからも離れようと思っていたのに、離れられない状況になってしまった。



……朝起きたら、一日中吐き気が続くようになっていた。