「おい、圭介。おまえ今朝、女子と同伴で登校してたよな? ついに彼女ができたのか?」

という、クラスの奴の話し声が聞こえた。

俺はすぐに席を立ち、圭介の方へ歩いた。

「今の話は本当なのか?」

「ああ」

「本当だよ。俺、この目でバッチリ見たんだから」

「誰だよ、圭介?」

「さあ、誰だろうなあ…」

「何、もったい付けてんだよ?」

圭介はニヤニヤと小憎らしい顔で笑っていた。

「見覚えがあるようなないような子だったぜ。背は小さめで眼鏡掛けてて、圭介と楽しそうに喋ってた。あれはどう見てもカレカノの関係って感じだったな」

クラスの奴がそう解説してくれた。