片山君をよく見ると、確かに桂木君と一緒にいる所を見た事がある気がする。

そう言えば、桂木君に廊下で拉致された時も、傍にこの人がいたかもしれない。

「あの、私は3組の…」

「雨宮紬ちゃんでしょ? 知ってるよ」

「そ、そうですか?」

「紬ちゃんの事は琢磨から聞いてるし、すごく勉強が出来るって噂だしね」

「え、そんな事はありません…」

「いいねえ、紬ちゃんは謙虚で。全然遊んでなさそうだし、好きだなあ…」

好き?
好きって、もしかして私の事?

「あ、驚いちゃった? そりゃそうだよね? 俺も何いきなり告ってんだろうな。今のは聞かなかった事にして? ね?」

「あ、はい」