「思案中に悪いんだけど、小枝子…」

「わ、分かったから、言うから…」

「じゃあ、どうぞ」

何が『どうぞ』だ、こん畜生!

「昨日、紬の元気がねえから、『どうした?』みたいなメールを送ったのに、紬から返事が来ねえんだよ」

「ふ〜ん。だいぶ話を省略したな?」

「な、何でだよ?」

「紬ちゃんの元気がないって、どうしておまえが知ってるんだよ?」

「それは…おまえから聞いたからだろ?」

「それだったら、『元気がないらしいから』って言わないか? 普通は」

「細かいなあ…」

「俺は細かい所が気になるタチなんでね。なあ、昨日も会ったんだろ? 紬ちゃんと。隠す事ねえじゃねえか」

「分かったよ、会いました」