「え、ああ、そういう事?」

「彼って、お昼はいつもパンとかおにぎりを食べてるのね。だから今日からは、あたしが琢磨のお弁当も作る事にしたのよ。実際はほとんどお母さんが作るんだけどね。あ、これは誰にも内緒だよ」

「うん」

「今朝、私も手伝ったんだけど、やっぱり二人分だと時間が掛かってさあ、危なく遅刻するとこだったよ」

ああ、それで明日香は遅れたんだ…

「次からは少し早く起きなくちゃ」

「大変だね?」

「うん、大変だよ〜」

言葉とは裏腹に、明日香は嬉しそうに微笑んでいた。

私はそれが、とても羨ましかった。