午後の7時半。 とうとう花火大会は始まってしまった。 次々と黒の夜空を照らす光のアートが打ち上がり、そのたびに会場の方から歓声が聞こえた。 少し遅れて聞こえる爆発音に混じって、僕はため息を漏らした。 「はぁ~・・・。しょうがない、連絡してみるか」 我ながら、連絡するのが遅すぎる気もする。 まぁそれくらい悠長な人間でなければ景子の彼氏は務まらないだろう。