僕の右手には薔薇の花束。 左手に持つバックの中には彼女に渡すために用意した指輪を忍ばせている。 「去年は結局渡せなかったからなぁ。今年こそは渡せると良いなぁ」 僕の額から一筋の汗が流れた。渡せるかどうか不安だからではなく、単に暑いから流れた汗だ。