世界を敵にまわしても



「高城美月いるー?」


昼休み、数学で出された大量の宿題をやっていなかった人達の勉強を見ていると、名前を呼ばれた。


あたしだけでなく教室の真ん中に集まって勉強していたクラスメイトも顔を上げると、後ろ側のドアから3年生の女子数名が教室を覗いている。


「あー、いたいた。アレっしょ?」

「ちょっといいー?」


椿と菊池さんがひとつの机でノートを広げて、その周りで晴や他のクラスメイトが必死に難題を解いてるところだったんだけど。仕方ない。


あたしは持っていた教科書を閉じて、椿と菊池さんの机に置かせてもらう。


「なんか用ですかぁー?」


……え?


対抗意識でも燃やしたのか、同類に見える先輩に声を掛けたのは菊池さんだった。


進めようとした足が止まり、菊池さんはペンを持った手で頬杖をついている。


「アタシ達、今美月に勉強見てもらってるんでぇ、邪魔なんですけどー」

「プッ……」


いや、笑う意味が分からないよ椿。


ちょっと、ほら。何か教室に入ってきちゃったじゃん……!


4人いた女の先輩達は、生意気な後輩をイビろうとしてるようにしか見えない。