世界を敵にまわしても



……遅くまで勉強してたの、気付いてたのかな。


部屋に戻って鞄の中を確認しながら思い、数学のノートがないことに気付く。


机の上に開きっぱなしだったノートには、びっしりと数字の羅列が書かれていた。


その下には、最後の頁までやってしまったライディングの問題集。


英検2級持ってるから、もう高校卒業程度の英語は習得したと言えるなと思い、苦笑してしまう。


あまりにも寝付けないからって、勉強しかすることがない自分が可笑しくて。


それでもあたしは今日も、同じことを繰り返すんだろうと思う。


学校から家に帰って、朝までずっと。


頼りないスタンドライトの明かりに目を疲れさせて、ペンを片手に目の前の問題にかじりつくんだ。


黒い空も浮かぶ月も見ないように、ピッチリとカーテンを閉めて。


鳴らない携帯を見続けないように、手にしないように。


何もせずに瞼を閉じて、ベッドに寝転んでいると色々考えてしまうから。


公式、化学式、文法、英単語、年表に政治経済に世界情勢。それら全てで頭の中をいっぱいにするんだ。



――先生に別れを告げられてから1週間。


あたしに残ったものはとても少なく、だけど何より大きかった。