世界を敵にまわしても

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夏休みが終わっても、9月中旬になっても、まだ暑さは続いていた。


じっとりとした空気が寝付きを悪くさせるから、寝不足で食欲もなくなっていく。


自分にそんな繊細な部分があるとは思えないけど、今日も朝食を自分で作ると言っておいて良かった。


せっかく母が朝食を作って出してくれるようになったのに、残したら母に悪い。きっと機嫌も損ねてしまうだろうし。


「……ごちそうさま」


席を立つと、キッチンで那月達のご飯を作っていた母の視線を感じた。


自分でテーブルに並べたカフェオレとトーストだけの、簡単な食事すら喉を通らない。


変に思われそうだけど、トーストを半分食べたところで吐き気がしてしまったからこれ以上無理だった。


「よこしなさい」

「え……あ、ありがとう」


キッチンに入ると、母があたしの手からマグカップとトーストが半分残った皿を受け取る。


残したことに怒られるだろうかとビクビクしたけど、それに関しては何も言われなかった。


「朝食食べないと、勉強するにも頭働かないでしょうに」

「……」

「寝不足で食べれないなら、ちゃんと寝なさい」

「は、い……ごめんなさい」


母はあたしの顔を見て少し溜め息をつくと、「早く学校行きなさい」と言った。