世界を敵にまわしても



「流れてる噂全部誤解だって言ってんじゃんかー。まさか信じてんの?」


ケラケラ笑う晴に、胸が痛む。ものすごく痛い。


「信じてないけど! 晴が当て馬扱いされてんだよぉ!?」

「あー、だから椿が怒ってたのか。美月のせいじゃねーって! 前の噂立てた奴のせいじゃん?」


その言葉に菊池さんは完全に固まって、椿は吹き出して、あたしはただ黙った。


前の噂立てたの菊池さんだってこと、晴忘れてんのかな……。それとも知らないんだろうか。


「ていうか、本当ゴメン。あたしのせいで……」

「は!? いや全然気にしてないって!」


あたしが謝っても晴はそういう反応をすると分かっていたけど、気にしないという方が無理だ。


「でも、晴が誤解だって言って回ってくれてるのに……」

「いや本当それはいいって! 何かさー、分かってくれる奴も多いんだけど、面白半分ででっち上げる奴もいるっつーか」


それは心辺りがあるというか、他にもいるんだろうな。


「まぁ奏ちゃん人気だから女子は美月に集中するけど、男子の中でも奏ちゃん妬んでる奴いると思うんだよね」


頭の後ろで手を組みながら言う晴は、本当に自分の噂は気にしてないみたいだ。