「……っ!」
開いた携帯が、1件のメールを受信する。画面の上にスクロールされた文字は兄の名前、皐月。
けれど流れた名前を見て、周りの音全てが一瞬消えた。
意味があるのか分からない、カモフラージュ。
あたしの携帯に届いたのは、先生からのメールだった。
FROM:さつき
Sub:Re:Re:
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逢いたい。
……何を、言ってるんだろう。
そんなの、無理に決まってる。外で逢わないって、決めたじゃん。しばらくの間だけ、我慢するって決めたのに。
少し待っててって、先生言ったじゃん。
「つーかそろそろ花火始まんじゃねぇの?」
「椿どこまで買いに行ったんだよ」
晴達の会話を耳に入れながらグルグルと考えていると、携帯が再びメールを受信する。
画面上に表示された“さつき”という平仮名に、目眩が起きそうだ。
FROM:さつき
Sub:Re:Re:
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祭りが終わってからでいい。
美月の家の最寄り駅で待ってるから。
無理なら、それでいいよ。
……ズルイ。
こんなのは、ズルイ。
夏休みが終わる直前に、本音を出すなんて。



