世界を敵にまわしても



聞くと、向き合うと決めたけど、そういう不安がどうしても胸の奥で渦巻いて。


どうせなら2つまとめて考えた方がいいと。


それまで一昨日と変わらずにいたいと思うあたしは、どれだけ自分本位なんだろう。


でも、それでもやっぱり。


「離れたくない……」


今、先生と距離を置いたほうがいいのは分かってる。


それでも、離れたくないって気持ちは消えなくて。


頭と心がちぐはぐで、苦しくて堪らないんだよ。


「……美月の気持ちが嘘じゃないなら、それだけで十分じゃねぇの?」


……あたしの、気持ち?


「朝霧を好きだって気持ちが、一時の感情なわけ? 気の迷いなんかじゃないって言えんだろ。だったら、そっちを大事にしろよ」


潤んでいた瞳のせいで、目の周りが熱い。


椿は駐車場を囲むフェンスに寄り掛かると、発車していく電車の音が消えてから口を開いた。


「不安だろうし、寂しいだろうけど。それこそ一時の感情じゃん。それでヘマして余計悪化したらどうすんの。それこそ離れることになんだろうが」

「……」

「それが嫌なら、しんどくても苦しくても歯ぁ食い縛って、今より先のこと考えろ。一時の感情より、その根本を大事にしろよ」