世界を敵にまわしても



「美月でいいんじゃん」


呑気に頬杖をついてたあたしに、椿の長い爪が向けられる。


「……は?」


思わず零れた言葉に背中を向けていた椿は振り向いて、グリーンの瞳であたしを見つめた。


「やれば? じっこー委員」


いやいやいや………はい?


「なぁんだ~アタシじゃないなら、誰でもいいし。美月でいいんじゃないセンセー」

「ちょっ! やらないから!」


何で椿があたしを推薦するんだ!バカ!


「……他に推薦がないなら高城になるけど、ある?」

「いねーべ。ハイ、決定」

「椿っ!」


ガッと肩を掴むと、「何」と飄々とした感じで言われてしまう。


「何じゃないんですけど!?」

「ファイト、学年1位」

「関係ないじゃん!」

「美月~。俺と一緒に頑張ればいいじゃん! なっ!」


潔く諦めろと!?


席の離れた晴にまで言われてしまって、あたしはもう本当に気分が最悪だ。


「高城」


先生の困ったような笑顔に、あたしはもう本気でどうすればいいか分からなくなる。


こんなタイミングで、1週間ぶりに先生と顔を見合わせることになるなんて。


「……やってくれると有難いんだけど、嫌?」


心の底から嫌。


実行委員なんて面倒なこと、やりたくないのに……。