世界を敵にまわしても



「無理だからホント! 軽音部のステージ発表あるし! 練習づくしなんだってマジで!」

先生に視線を戻した晴は身ぶり手ぶりで必死に伝えるけど、「晴でいいと思いまーす」とクラスメイトが口々に言い出した。

「お祭り男だしなー」

「黙れアホ―――!!」


……可哀相だけど、一度名前が出ちゃったらもう無理なんだよね。諦めるしかないよ、晴。


「じゃあ、男子は宮本で」

「ちょ、奏ちゃん!? マジで言ってる!?」

「じゃあ、他に推薦は? 宮本以外に居る?」


先生がニコリと微笑むと、「居ませーん」と見事なハモリを男子が披露する。


「お前覚えとけよ!! つうか手伝わせるからな!」


晴を推薦した、よくクラスでも一緒に居る男子に晴は眉を吊り上げながら、結局実行委員になる事を承諾した。


「じゃあ次、女子だけだけど……誰か推薦する人居る?」


菊池さんあたりでいいんじゃないかと思うあたしは酷いだろうか。


……いや、椿も思ってる。


あたしの前に座る椿が、白く細い腕をスッと上げた。


「ん、黒沢……誰か推薦?」

「ちょ、アンタあたしのこと推薦したらブッ飛ばすからね!?」


菊池さんは殺気でも感じ取ったか、大きな声を出す。


「はん? ウルセーな。早いもん勝ちなんだよ」


……菊池さん、ドンマイ。