「んじゃまぁ、短い時間だけど楽しんでってください!」
晴がそう言うとドラムのカウントが始まり、何の曲か分かった観客はワッと歓声を上げる。
緊張するなんて言ってたボーカルの人も、やっぱり冗談だったんだろう、楽しげにマイクを握っていた。
晴の唸るようなギターに、それに絡み付くようなヨッシーのベース。
低い音から高く大きくなっていく音にドラムの音も激しさを増して、ボーカルの歌声が入ればもう観客のボルテージは上がりっぱなし。
観客を煽るような演奏だったり、仲間内で合わせてジャンプをしたり。
一段と大きくなっていく歓声は、晴たちの音に込められた熱さを表してるみたいだった。
観客みんな興奮して、拳を上げて、飛び跳ねて、ライブハウス全体が揺れてるような気さえする。
――晴、楽しそう。
スポットライトを浴びて、無邪気な笑顔でギターを弾いて騒ぐ晴は、とても輝いて見えた。
あんなに動いたら疲れるはずなのに。汗だってかいて、でもそんなのはどうでもいいみたいで。
とにかく楽しいっていう気持ちが伝わってくる。
音楽が好きで、ギターもバンド仲間も、この地鳴りのような大歓声の中にある一体感も、好きで好きで仕方ないんだろう。
……ジャンルは違うだろうけど、好きだって気持ちは一緒じゃないの?
ねぇ、先生。
何の我慢もせずに100%音楽と向き合って演奏する晴は、凄く幸せそうだよ。



