世界を敵にまわしても



ステージには4人の男子。当たり前に晴が居て、その手には青いギターが持たれている。


「あ。そういえばヨッシーも同じバンドなんだっけ」

「あぁ、あの女たらしね」


そんな情報はいらないけども。


晴のバンド仲間で軽音部の部員でもあるヨッシーは、黒いベースを軽く弾きながら観客に笑顔を見せていた。


ドラムとボーカルは違う学校の人なんだよね。でも遠目で見る限り、皆カッコイイとは思う。


「あー……」


緩いパーマが掛かったボーカルの人がマイクを握ると、騒がしかったライブハウスが一瞬だけ静まる。


「ダメだ……緊張する」

「嘘つけよ!!」


ボーカルの人に晴が突っ込むと観客に笑いが起こり、ヨッシーが「さっきまで携帯でゲームしてたくせに」と付け足した。


「いや今日は本当、緊張してんの。ゲームはしてたけど」

「ヘタレなゲーマーボーカルは無視して、こんばんはー!」

「今日は1組出れなくなったんで、忙しい俺らが急遽出ることになりました」

「いや、普通に暇だからここ立ってんだけどね」


晴とヨッシーが話していると、ドラムの人が始めるぞと言わんばかりに音を出した。