世界を敵にまわしても



「ねぇ、どこ行くの?」

「おもしれーとこ」

「だから、その面白い場所がどこって聞いてんでしょ」

「あっち」

「……」


無駄だなこれは。


電話をした時も、今から付き合えの一点張りだったし。


いや、その前に「これから暇?」って聞かれて「別に暇だけど」って答えちゃったのが間違い……。


街中を椿と並んで歩くと、色んな方向から視線を感じる。


擦れ違う人擦れ違う人、椿の美貌に魅入らずには居られないらしい。


当の本人はそんな人達にまるで興味はなく、面白いらしい場所にあたしを無理矢理連れていく事が楽しげだけど。


……まぁ、勉強は終わったからいいんだけどさ。


人通りも多いアーケード内から少し外れた道に出ると、薄暗さにちょっとした不安が募った。


1人だったら、絶対こんなとこ通らない。


「何? こんなとこに用あるの?」


別に寒くもないのに両腕をさすると、椿は首を捻ってあたしを見る。口元を、ニヤーッと楽しげに上げて。