世界を敵にまわしても

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「バイバーイ!」
「また明日ねーっ」


6月中旬。制服も冬服から夏服に衣替えになり、本格的な梅雨入りが間近に迫った放課後。


あたしは結局2週間近く放課後に準備室へ行く事が出来なかった。


試験が終わっても採点や担任業務で先生は忙しくて、暇がなかったから。


それもやっと落ち着いてきて、今日やっと放課後に逢えることになった。


「ねぇ黒沢。アンタどこの美容室行ってるか教えなさいよ~!」

「あっち行け」


椿と教室で時間を潰していると、菊池さんが豪快な巻き髪を揺らしながら近付いて来る。


「菊池さん、聞き方変えた方がいいんじゃない」

「何よ。そんな事も教えられないわけぇ? 黒沢ってば心狭~い」

「ウチの行ってる美容室をアンタも利用するとか、無理」

「ちょっと美月! どうにかしなさいよコイツ!」


……どっちもどっちだと思うんだけど。


仲が良くは見えないけど、悪くも見えない2人の会話を聞きながらあたしは携帯を開く。


そろそろ行って、待っててもいいかな。


「椿、あたしもう行く」

「あ? あぁ、うん」

「あとネイルどこでやってんのよ~」

「ウッセーなお前は! ネイルは自分でやってんだよっ」

「はぁ!? 何ソレどんだけ器用なのぉ!? ムカつく!」


……延々と続きそうだな。ほっといても大丈夫そうだけど。