世界を敵にまわしても



「宮本とお似合いだと思うな」


ぐるぐると考えていた頭が、急に冴える。


「……は?」


いきなり何を言われたのか理解出来なくて、いや、そう言われた意味が理解出来なかった。


「高城と宮本、お似合だと思うよ」


それはさっきも聞いた。
何で、そんな話になるんだ。


「……似合わない。晴にはもっと、明るい子が似合うと思う」

「そうかな? 俺的に宮本は、高城みたいにしっかりした女が似合うと思うよ」


……女とか、言わないでほしい。


先生にとってあたしはしょせん女の子で、生徒なんだろうと再確認させられる。


「ていうか、そうだとしても……あたしに例えるのやめてほしい」

「どうして?」

「どうしてって……っ!」


先生と目が合って、思わず逸らしてしまった。好きな瞳なのに、今は見る事すら嫌だ。


あたしが先生を好きな気持ちとか、何もかも見透かされそうで、怖い。


「俺はいいと思うけどな、2人」

「……良くない」


震えそうな体をごまかす為に、携帯を持った手で自分の腕を掴んだ。


「付き合っちゃえばいいのに」

「……は?」


あまりにも驚いて顔を上げると、先生はやっぱり微笑みながら残酷な言葉を口にする。