「ああ、もう! うるさい! あたしのどこがいい子ぶってるわけ!?」
あたしと向かい合う菊池さんが目を見開く。
椿が遠慮無しに見上げてるのが視界に入ったけど、それよりも今は菊池さんに腹が立ってしょうがない。
せっかく穏便に済ませようとしてんのに、好き勝手言ってくれる。
『美月は考えすぎ。もうちょいシンプルでいいんじゃん?』
確かに考えすぎなんだ。
菊池さん相手に穏便なんて、他の誰でもなくあたし自身が無理だった。
「大体そっちがネチネチネチネチ遠回しにしてくるから、相手する気にもなれなかったんだよ!」
「な、に……。あたしが悪いっての!?」
「やり方が幼稚だって言ってんの!」
「はぁ!? あたしのどこが幼稚なのよ!」
「机の上の紙とか! 影口とか! バカか!」
「バッ!? アンタ前から気に入らなかったんだよ!」
「自分の思い通りに行かないから気に入らないだけでしょ!」
グッと息を呑んだ菊池さんに一旦息を吐いて、再び吸い込む。
「言っておくけど、あたし菊池さん達のことなんて怖くないから」
「はぁ!? 何なの!? アンタ腹ん中でウチ等の事馬鹿にしてたの!?」
ドンッと肩を押されて、よろけない様に踏ん張る。
「大体なに!? アンタ猫被ってたわけ!?」
睨んでくる菊池さんに眉根を寄せて、あたしは溜め息をつく。
呆れからじゃなくて、少し落ち着こうと思って。



