世界を敵にまわしても



「コラ」

「!」


ポカッと何かで頭を叩かれて振り向くと、先生が出席簿を持ってあたしを見下ろしていた。


「何してんの? 本鈴鳴ったよ」

「……」

「え? 何その視線」

「疑いの眼差しです」

「ぶはっ!」


吹き出したと思ったらサッと出席簿で顔を隠す先生。


揺れてる肩が丸見えな上に、笑い声が漏れているんですが。


「くくっ……まぁ理由は後で聞くよ。ほらほら、席着いて」


背中を出席簿で押してきて、あたしは横目で先生を見ながら教室へ入る。


あたしが席に着く頃に先生も前のドアから教室に入ってきて、笑顔を見せた。


「おはよう。早速だけど、出席取るね」


先生がクラスメイトの名前を読み上げてる間に、チラリと菊池さんを見ると怒っていることが分かる。


他のAランクの女子も同じようだけど、あとは数日前とは違った。


変わらず怯えているようだけど、どこか興味深げにあたしや椿、菊池さん達に視線を向けている。


どちらに付いた方が安全なのかと言うより、好奇心の方が強そうだ。


「黒沢ー」

「んー」

「高城ー」

「はい」


……そんな事より、さっきの椿の言葉はどういう意味だろう。


『朝霧も大変だな』って、何が?