……あたしはただ、椿との境界線を絶ちたいと思った。
それで、菊池さん達に目を付けられて、孤立する事も分かってた。分かってて、椿に関わった。
それが、素のあたしだったから。
「眉間にシワ寄ってる」
「……」
眉間をさすりながら隣を見ると、椿はなぜか微笑んでいた。
「美月は考えすぎ。もうちょいシンプルでいいんじゃん?」
そうかな。でも椿の思考がシンプルなら、あたしは何だか糸が絡まったみたいに、ぐちゃぐちゃな気がする。ていうか絶対そうだと思う。
「……シンプルって言葉、椿に似合うね」
「何ソレ。単細胞みたいじゃん。学年トップの余裕か」
「は!? 何でそこで学年トップが出てくんのよ!」
椿が無邪気な笑顔を見せるから、わざと言ったんだと気付いて、それが別に嫌じゃなくて。あたしも笑ってしまった。
「まぁ、見た目は全くシンプルじゃないけどね」
「うっせ」
言葉使いは悪いし、性格もキツイ方だと思うけど……知ってほしいと素直に思う。菊池さんやミキたちに。
普通に笑うし、優しいし、話も聴いてくれる。
1人が好きなわけじゃないと言った椿を、よく見てほしいと思う。
菊池さん達もミキ達も、クラスメイトも。仲良く出来ないならしなくていい。
でも、知りもしないのに椿の存在を否定してほしくないから。



