「美月っ! ちょっと来て!」
数学の授業が終わった途端、あたしはミキに連れられて教室を出る。
有無を言わせる暇もなく、あたしはミキ達3人に囲まれた。
「何!? さっきの!」
「一緒に来たの!?」
「何で!?」
……何となく予想はしてたけど、ミキもサトミもユイも必死だな。
ミキ達の背後に目をやると、教室の中で菊池さんを筆頭にAランクが睨むようにこちらを見ていた。
「駅で会っただけだよ。雨降ってるでしょ」
「は? 何、美月マジで黒沢と一緒に来たの?」
サトミは馬鹿じゃないのと言いたげだ。
「傘持ってなかったから」
「黒沢さんと相合傘してきたの!?」
声が大きいユイに、思わず目を細めてしまう。ついでに眉も寄せてしまったと思うけど。
「傘持ってないクラスメイト、無視するのもおかしくない?」
「おかしくないよ美月ぃ~! 仲良くないんだからっ」
ミキはあたしの両肩を掴んで、「もぉ~!」と言いながら揺らしてくる。
……この3人は、あたしの身を案じているわけじゃない。
“自分のグループの人間”が、“最低ランクの人間と関わること”に危険を感じてるんだ。あたしではなく、自分の身を心配してる。
当たり前だけどね。
それは間違ってないと思う。
でもあたしはもう、ウンザリだ。



