男は避けた。




さすが『肉体強化系』だ。






だが、お前が避けても意味が無い。






僕はこの男に興味などなかった。






僕の飛ばしたものがどこか遠くの方で爆発した。






男は強風でもビクともしていない。





僕は飛ばした方向を見た。







山が一つ消えていた。








「ほう、これが本当のお前の力か」





「…」




「だが…」


男は消えた。





この前ビルで使用した技だろう。



だが無駄なことだ。





男は僕の背後から殴ろうとした。





僕は自分の周りを粒子で固めた。





「馬鹿め。
私が『キャンセラー』を付けていることを忘れたか」







男は僕を殴った。



男はグローブの『キャンセラー』付けているから殴ればどんな能力者でも殴れると思ったのだろう。







馬鹿が…







男の拳は僕には届かない。





身体の周りを『防壁』能力で固めているからだ。





それに僕に『キャンセラー』は効かない。





僕は男の手を掴み『分解』能力を使用した。






このままグローブごと男を消そうとした。






だがグローブは消えても男は消える気配が無い。


僕は手を離した。





「私の能力は『強化』だ。
細胞レベルで強化しているのだ。
『分解』されるわけがなかろう。
さあ、続きと行こう」