朝と言えば、大抵、買い置きしているコーンフレークや栄養補助食品で済ませてしまう。


手作りの朝食を用意する暇があるなら、ベッドの中で夢を見る時間に使いたい。


いつも遅刻ギリギリまで寝ているあたしは、朝のキッチンとなんてたまにしか縁がなかった。


とは言え、半年に1度くらいはこうして縁のある日が巡ってくる。


それは今日みたいに気力溢れる時だったり、ナシラメンバーが泊まりに来ている時だったり、その時によって理由は違うけれど、いつも決まっているのはメインになる料理、パンケーキだ。


ボールに小麦粉や牛乳、卵なんかを次々に入れていくだけの簡単なレシピ。


お母さんと一緒に作ったそのレシピは、その後、コンクールでグランプリを取ったこともあって、18歳になった今でもしっかり頭の中に残っている。


自分の作るパンケーキは、そこまで好きなわけじゃない。


いくらお母さんと一緒に作ったレシピとは言え、やっぱりお母さんの作るパンケーキにはかなわない。


けれど、朝ご飯を作るとなると、まるで引き寄せられるみたいに作ってしまう。