「私は……もうあんな思いしたくないよ。」
「そうよ!消したければ消せばいい!」
そうだ。
私はいつもあの感情に振り回されてきた。
周りより劣る自分。
これといった特長なんてなくて…
ただ、私は何なの?ってそればかり…
劣等感は怖い…
「だけど……」
「?」
私は真っ直ぐニセモノを見つめた。
「劣等感を少しも感じなくなる方がもっと怖い!!」
「!?」
「私はきっと劣等感があったから生きてこれたの。それをなくして、何の目標も立てず、ただただ自分勝手に生きて…」
「……」
「それで…死んでいく後悔の方がよっぽど怖い!!」
「!…何よ、じゃああんたが消えればいいんだわ。」
ニセモノの私が構える。
「今にあなたは自分から消えてなくなりたいと思う。…それで、私が洋子になる!」
「そんなこと絶対させない!」


