「さぁ、どうするの洋子?私を消してみる?」
「私は…」
洋子…!
偽洋子が洋子に自分を消させようとしている。
たしかあの偽物を消したら本物も…
「だめだ!!洋子!!消すな、逃げろ!!」
俺は力いっぱい叫んだ。
洋子が消えたら、俺は…
「ばーか。モニターごしにこっちの声が聞こえるわけないじゃん?」
「洋子!!」
頼む…!
洋子逃げてくれ!
「私は……もうあんな思いしたくないよ。」
「…洋子…」
体の中を冷たい何かが流れた。
「あーこりゃだめだね。あの子偽物を消すつもりだよ。」
「灰音…お前!」
「怒んなって。まぁあの子も人間だからね、しょうがないよ。」
俺は檻の隣で黙って見ていたエレジーに振った。
「エレジー!!今すぐあの偽物消せ!!」
「…無理よぅ。私、分身作れても消せないのよ。」
くそっ!!
このままじゃ洋子が…


