バケバケ




「…違う?」


「お前らの本当の目的は…洋子なんじゃないのか?」


「……」


灰音は少しも表情を変えない。


「なんとか言えよ!」


「……傷…」


「?」


「さっき分身の洋子にやられた傷…だいぶ治ってるんだな。」


「はぐらかすな!」


「それも契約したおかげか?」


「…そうだよ。そんなことより答えたらどうだ。」


「俺は、本当にお前を研究したい。」


「今さらそんなうそ…」


「と、同時に…洋子が目的でもある。」


「!」




やっぱり…


「洋子に何の用だ。」


「大事なことだよ。バケバコに関するね。」


「バケバコ…」


こいつなんか知ってるのか?


「シイ、モニター見てみろ。」


「?」



モニターには二人の洋子の横顔。


そして、声が聞こえた。