3.消したいなら消せばいい



いやだ…




加藤先生に言われて教室の前まで来たけど、私は扉を開けられずにいた。


入れるわけない。


みんな私がやったと思ってる。


怖い…




涙が頬を伝って床に落ちた。


私は戻れない。


探さなきゃ…


本当の犯人を。


でもどうやって?


誰かもどこにいるかもわかんないのに?


逃げたい…




―ガタッー


「!」


目の前の扉が音を立てる。


きっと教室の中の誰かが教室の外に人がいることに気が付いたんだ。


だめ…


扉が開く…!!




私はとっさに廊下を走り出していた。


体が熱い。


涙で景色が滲む。


私は走りながら涙を手で拭った。