「うそをつくな!俺たちはお前の顔を見てるんだぞ!!」
40代くらいのおじさんがこっちを睨み付けていた。
「坂本、何か悩みがあるのか?」
「……。」
村井先生、私がやったと思ってるんだ。
「違います!私やってません!」
みんな怖い…。
「洋子さんは…」
担任の加藤が私の前にすっと出てきた。
肩までの黒髪に銀縁のメガネをした可愛らしい女の先生だ。
その普段はほんわかした先生から今は気迫を感じる。
「洋子さんはそんなことするような子じゃありません。」
私の前に立つ先生の背中はすごくきれいに見えた。
私のために怒ってくれてるんだ。
「洋子さん?」
先生が振り返って私を見た。
「あなたはやったんですか?」