教室のドアを勢いよく開ける音がして、生徒指導部の村井先生が入ってきた。


「坂本!ちょっと職員室こい!!」


職員室?


私呼び出されるようなことしてないんだけど…


「はい。」


クラスメートの視線を感じながら、とりあえず村井先生のあとに続いて職員室に向かった。






職員室には見慣れない顔の人がたくさんいた。


そのうちの1人、ポロシャツを着たおじさんが私の顔をみるなり指を指して叫んだ。


「この女だ!!間違いない!!」


えっ?なに…?


隣のおばさんもそれに便乗して叫ぶ。


「この子よ、昨日の夜うちの窓ガラス割ったの!!」


窓ガラス…?


どういうことなの?


他の人も頷いている。


村井先生が私の方を見て言った。


「昨日の夜、この辺りの家の窓ガラスが割られるという事件が起こった。犯人は被害者に自分は坂本洋子だと名乗ってるんだ。」


「私…やってない。」