教室から話し声が聞こえる。


よかった。
まだHR始まってないんだ。



少し息を整えてから教室に入る。



―ガラッ



その瞬間なぜか教室が静まりかえった。



クラスのみんなが一斉に私を見て、すぐ目をそらした。


なんだろう…。


「洋子、おはよ!」


沈黙を破って瑞穂が明るく私に話しかけた。


「おはよ。」


するとまた教室はさっきのように騒がしくなった。


なんだったの、今の?



瑞穂たちが心配そうな顔でこっちにきた。



「洋子、遅かったね。」


「ちょっと寝坊しちゃって。」


「洋子、あのさぁ…」


瑞穂が言いづらそうに切り出して、ちらっと隣の莉子の方を見た。


莉子は話を促すようにコクリと頷き、瑞穂はまた続けた。


「昨日の夜…何してた?」


「夜…?家にいたけど。」


「そうだよね!」


「へ?」


瑞穂は私の肩を強く掴み、何度も頷いた。


「私たちは洋子を信じてる!!絶対味方だから!」


「え?何?どういうこと?」


「実はね…」






「坂本!」