今、シイの顔からあの黒い炎の模様は消えている。


あれはなんだったのか。


それに…シイは何者で、
何のバケバケなのか…


私は何も知らない。




「ねぇシイ?」


「ん?」


「あの…」


「あー!!」


「うわぁ!なに?」


シイは突然大声を出した。

感じとったような気がした…
私が言おうとしていることに。


「洋子、お前学校は!?」


「あ…」


忘れてた…
まぁ休んでもいいんだけど…


「そうじゃん!学校行かなきゃ。」


私はそう言って慌てたフリするしかなかった。


駅に向かって走り出す。


後ろを振り返ると悲しそうなシイの顔があった。


「ばいばい!またあとで。」


シイに手を振るとシイも振り返す。


いつか…ちゃんと話してくれるよね。


体を正面に向ける。


後ろでシイが呟いた気がした。





「洋子、ごめん。」