黄金は顔をあげてこっちを見た。
「悪かったな。」
気まずそうに黄金は言った。
「よかったな、黄金。」
「シイ…だっけ?ありがとう。感謝してる。」
それだけ言って黄金はすぐに目を反らした。
「それじゃあ…」
シイは足下に転がっていたバケバコを拾い上げた。
「これはもういらないな。」
シイはバケバコを私に渡した。
「出番だぞ、洋子。これ…壊してくれ。」
「えっ!」
壊すって…どうやって?
「壊れろって強く念じたら壊れるはずだ。」
「うん。」
バケバコをしっかりと持って、私は強く念じた。
壊れろ!
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