何が起きたのか全然わからない…。


一瞬だ。


一瞬でシイは間合いを詰めて黄金の前に…






呆気に取られた黄金はその場に座り込み、目を見開いてシイの顔を見ていた。


黄金が小さく呟いた。


「お前……それ…」


黄金はシイの顔を指差している。


でも私の方からはシイの顔は見えない。


…何だろう?




「…黒い炎……」


…黒い炎?


たしかに今黄金はそう言った。


「お前…契約し」


黄金がまた何か言いかけたのを黙って制するシイ。


「それ以上喋るなよ。」


「……。」


「で?どっちがいい?このまま消えるか、元のギターに戻るか。」


「………俺は…」


黄金が唇を噛み締める。