「歌うとこ?みたいな…なんて説明したらいいかわかんないけど…行ってみる?」


「なんか面白そうだな、行く。」


「じゃあ、行こっか。準備してくる。」








灰音に教えられた番号の部屋に行くと、すでに見慣れた顔が揃っていた。


「おせーよ、二人とも!」


私たちは空いている席に座った。


「洋子とシイも来たし、始めるか。」


灰音がソファーの上に立つ。


「神崎灰音、一曲目行きまーす!!」


灰音がマイクを高らかに上げる。


「待ってよ、一曲目は僕がやる!」


千秋もソファーの上に登る。


「なんだよ、俺が赤鼻のトナカイ歌うんだよ。」


「まだクリスマス当分先よ?」


エレジーが冷静に突っ込む。


「僕は歌手だぞ!」


「じゃあ、なおさら俺に譲れよ。」


「なんでだよ!」


二人はソファーの上でマイクの取り合いをし始めた。





曲のイントロが始まった。