4.神様の気まぐれ






声が聞こえたのだ。






あの黒い炎がシイに自分を使えと。


そう言っているのが聞こえた。






胸騒ぎが止まない。


この前シイを見た時、彼はもう限界のように見えた。


次に契約の力を使えば、もう炎に飲まれてしまうだろう。


そう思った。


だから忠告してやった。






「その炎が体全てにまわった時、お前は黒い炎に焼かれて死ぬ。」






この言葉はシイに届いたのだろうか。


…いや、届いてないだろう。


届いてないから胸騒ぎがするのだ。


先程からするこの気配…


間違いなくシイは力を使ってしまった。






おそらく相手はトキだ。


どうする?


ボクは神だ。


平等でなくてはいけない。


シイが死んだとしてもそれを認めるのが神だ。


だが…






残念だ。