昭仁さんの言う通りだろう。


バケバケの中には人間が嫌いなものもたくさんいる。


そういうやつらにとって、昭仁さんや洋子のような力の強い人間は格好の的だ。


人間に復讐したいやつらは力の強い人間から力を奪おうとする。


その人間の命を奪って。






昭仁さんは視線を移し、俺に向き直った。


「そういうわけだからシイ、君に洋子を守って欲しいんだ。」


「もちろんです、俺はそのために生まれてきたんだから。」


「たのもしいなぁ。」


昭仁さんの大きな手が、俺の頭を撫でた。


「俺、頑張ります!!」






とは言ったものの、洋子は異常なまでにバケバケに狙われていた。


昭仁さんに敵わないと思ったバケバケたちがこぞって洋子を狙いに来たのだ。


俺は毎日そいつらを追い払った。


それほど強いやつはいなかった。


そして洋子は面白いくらい自分の身に起きていることに気がついていなかった。