そんな状態で洋子を持ち主にしたら、洋子の心の力を全て吸いとってしまうかもしれない。
それが怖い。
俺は自分の手で、守らなきゃいけないものを壊してしまうかもしれない。
「巻き込みたくないんだ。洋子には…出来れば普通の生活をして欲しい。」
「今さら遅いだろ。もうこんなに巻き込まれてんだ、どのみち普通の生活は出来ない。」
「…分かってるよ。」
「分かってるなら持ち主になってもらえよ!」
灰音は声を荒らげた。
俺に背中を向け、そのまま続けた。
「そのうち明仁さんからもらった力は尽きるんだ。そうなったら誰が洋子守ってやるんだよ!アホか、お前は!」
「……でも灰音、俺は…」
「でもじゃねぇよ!…洋子のこと好きなんだろ!?」
「……」
…好き………?
「好きだよ。もう、10年以上も。」
「だったら…」
「でも違うんだ。」


