バケバケ





洋子をおぶって扉の中に入る。


「お前さぁ、」


異空間の中で、灰音が切り出した。


「なんで洋子がこんな無茶したのかわかってんの?」


「なんでって…」


…わからない。


洋子はバケバケの危険さを分かっているはずだ。


人間の力じゃバケバケに敵わないことも。


「俺…頼りないのか?」


情けない。


結局洋子に守られてしまった。


「バカだな、違うって。洋子はお前の役に立ちたかったんだろ。」


「俺の?」


「だからお前のためにバケバケの持ち主探しにいったんだろ。」


「……。」


洋子は…役立たずなんかじゃないって言ったのに。


気にしていたのか。


「なぁ、シイ。いい機会じゃないか。」


「…なんの?」


「持ち主だよ。なんで洋子を持ち主にしてやらないんだよ。」


「それは…」


洋子を持ち主にしてしまったらきっと今以上に危険な目にあう。


それに俺は契約がある。


しかも契約の力は自分で制御出来る自信がない。