「おーい、洋子ー!!」


後ろから声がした。


「?」


「待て、洋子!俺も行く!」


振り返ると、灰音とエレジーが私の後ろを走っていた。


「灰音さっき大丈夫だって言ったじゃん!」


「そうだけどー…ぶっちゃけネックレス欲しいんだよ!」


「私もよ。」


…この二人、ネックレス目当てか…


「ダメだよ!ネックレスは竹内さんに返すんだから!!」


「いーじゃん。どうせ竹内はアホだからネックレスのことなんか忘れてるって!」


「ダメだってばー!!」






こうして走っているうちにスクエア21についてしまった。


「空中庭園にいるんだっけ?」


「うん…」


空中庭園の入り口まで来たところで大きな爆発音がした。


「何?…今の…」


庭園内に入ると、入り口のすぐ近くにぐったりした千秋の姿があった。


「千秋…!」


千秋は壁にもたれ掛かったまま、うっすら目を開けた。


「千秋、しっかりして!」


「大丈夫だよ、ちょっと気を失っただけ。それより燕とシイは…」


庭園内は砂ぼこりが立ち込め、そのなかに二つの影があった。