「ミナミちゃん!」
ミナミさんは目を細めて灰音を見た。
「……誰?」
「……。」
「……。」
……。
当然そうなるよね。
「ミナミちゃんに俺のこと紹介してくれよ、竹内くん。」
灰音は隣にいる竹内さんの肩をバンバン叩いた。
竹内さんは若干嫌そうな顔をしたがミナミさんに私たちを紹介し始めた。
「こちらは僕の…えーっと…友達?…うん、友達です。」
「竹内の?あれ?さっき3人連れて来たって…」
ミナミさんは私と灰音の顔を交互に見て不思議そうな顔をしている。
そうか…ミナミさんにはエレジーが見えないんだった。
「えっ?3人だよ?」
そして竹内さんはエレジーが私たち以外には見えないことわかってないんだった。
「竹内を入れて3人ってことだよな、竹内くん。」
ナイスフォロー、灰音。
「え?……あ、そうか。」
竹内さんは納得したように大きく頷いた。
…竹内さんがアホでよかった。


