シイはいつの間にか消えていた。


そして、二人の子供の前に現れた。


シイの腕に、あの黒い炎が浮かび上がっていた。




「!…」


二人が驚いてシイを見る。


「……黒い炎…!ありえないのです、おかしいのですよ!」


女の子はひどく動揺していた。


「べつにおかしくねーよ!!」


シイが手で空を切った。


二人はシイとは反対側に飛び退く。


女の子のツインテールの先が、少し切れて空に舞った。





「くっ…!それならば…私たちは…」


二人はシイたちから距離を取り、繋いだ手を突き出してさっきのような衝撃波を放った。


「うわっ!」


吹き飛ばされる三人。


「威力は落ちますが…遠距離に徹するのですよ。」





「どうする、シイ。あいつらの力をどうにかしないと…」


「持ち主が近くにいるはずだ。そいつを何とかできればなぁ…」


「ダメだよ、何のバケバケかもわかんないし…」


「……でも…持ち主さえ見つかれば……あの力を抑えられるかも……」