「なんだあの子供、作業員の子か?」


「さぁ?でもなんか様子がおかしくない…?」


作業員は子供の方を一切見ない。


まるで、子供たちが見えていないかのように。


…見えていない?


まさか…


「あいつらだ!」


千秋が小声で叫んだ。


「あの子供がバケバケなんだよ!」


「あれが?強力そうにはみえないけどな…」


「なめてると痛い目みるよ、だって僕と燕二人がかりでも逃げられたし…」


「そうか…」


千秋はわからないけど、シイを止めた燕さんは強いんだろう。


二人が捕まえられなかったってことはあの二人の子供も強いってこと?




二人の子供はゆっくりと作業員に近づいていった。


そして、すぐそばまでくると、しゃがみ込んで作業をしている作業員を見下ろした。


何するつもりだろう…


「あ…」


一瞬にして、作業員は消えてしまった。


二人の子供は一つの黒い箱を、二人で大事そうに持っていた。