「それから…
半年後くらいかな。

また彼女の病状が悪化して、彼女も子供だけど自分の死期を悟ったみたいで…

ある日僕に言ったんだ。

わたしが死んだらお墓参りに来てね。
そうしたら、また遊べるんだよ。

って…」


「それが…約束か。」


「うん。
いい話でしょ?

それから間もなく彼女は亡くなった。」


「お墓参りには行ったのか?」


三好先生は静かに首を横に振った。


「行けなかった。

彼女がいなくなったことで、僕もバケバケとしての命を終えようとしてたんだよ。

お墓までの、長い距離の移動が出来なかった。」


「そこでトキに会ったんだな。」


「バケバコを渡されて、いろんな人の心の力を奪ってこい。って言われた。

最初は断ったよ。

けど…選択の余地はなかった。

ごめん…」


「謝るなら子供たちに言えよ。」


「そうだね。」




「シイ、大変だよ!!」


突然、洋子が叫んで俺のもとに駆け寄った。


「子供たちが…!」