ただ、こいつが何の能力を持ってるかわからない。


迂闊に動かないほうがいいか…




「おい、お前シイさんのお父さんか?」


………お父さん?


ちょっと待て。
俺そんなに老けてるのか?


「やっぱそうだろ!そっくりだもんな。」


……前言撤回だ。


こいつはどうせ俺の正体を知ってるんだ。


「おい、しらばっくれんなよ。タイキ…お前、俺が本人だって知ってんだろ。」

「は?」


またとぼけやがって。


「俺も知ってんだよ、お前がバケバケだってことくらい。」


「え、待てよ俺は…」


「バケバコを渡せ!」


さぁ、どうするタイキ!




タイキが手を挙げる。


ついに本性現したな!


そして挙げた手を顔の前でぶんぶんと横に振った。


「おれ、そんなのしらないよ!」


……え?


「しらない…?」


「うん。」


そんな…


もしかして…
こいつ本当にバケバケじゃないのか?


じゃあ誰が…