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「絶対待ってろよ、」


「わかったよ」


「俺が帰って来るまで動くなよ。」


「わかったって。」




灰音と別れたあと、私とシイは幼稚園の裏門付近までやってきた。


ここは正門よりは警備が薄く、人も少ない。




「俺は、タイキと会ってくる。そんでバケバコを奪って戻ってくる。」


「私はそれを受け取って壊せばいいんだよね?」


「うん。」


「じゃあ…」


シイが園内に入ろうとしたその時だった。


「あ!」


「?」


誰かの声がして、声の方をみると、見覚えのある人物がいた。


この人ってさっきまでモニターに映ってた三好先生…?


三好先生は園の柵から身を乗り出してきいた。


「あのっ!もしかして君、洋子ちゃんのお姉さん?」

洋子ちゃんのお姉さん…?


「あぁ、ごめん違ったかな?さっきまで一緒にいたここの園児によく似ているんだ。てっきりお姉さんかと…」


そういうことか。


「洋子…チャンスだ。」


シイがこそって私に耳打ちした。


「こいつ…何か情報持ってるかもしれない。適当に相づち打って聞き出せ。」


「うん。」